医療法人真正会 川村小児科 kawamura children's clinic

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コラム
Column

間身長の伸びについて

小学校で並ぶ度に、背の順で1列か2列前へ行く子がいます。これは同学年の子と同じだけ年間身長が伸びていないことによるので、そのうちにクラスの中で背が低い方になってしまうことを示しています。
各年齢の正常の年間身長の伸びをみると、3歳児男子7.5cm/年、女児7.4cm/年から、1番年間の伸びの少ない年齢の男児10歳4.9cm/年、女児の場合9歳で5.4cm/年を底に、13歳男児9.9cm/年、女児11歳で8.3cm/年を頂点とした逆さ富士のようなカーブを描いています。

ですから一般に小学校時代は、いつでも5~6cm/年の身長の伸びがあるのが普通といわれているのは正しい見方です。
一方これだけの身長の伸びのない人達のいることも確かで、こうした人達が入学当時は普通身長だったのに学年が進むにつれて背が低いほうへ入っているのです。
年間の身長の伸びが病的に悪いとされる基準を表に示しました。

年間身長の伸び不足の基準値

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年齢
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
男(cm) 6.4 5.8 5.1 4.6 4.6 4.4 4.1 3.9 4.1 5.5 7.7 5.0 2.3
女(cm) 6.3 5.8 5.4 5.1 4.6 4.3 4.2 5.2 6.7 4.5 1.7 0.6 0.2

小学校へ入ってから年間5cm以下の身長の伸びでは成人したとき、100人中背の低い方で前から2人までの範囲に入ってしまいます。

たとえば小学校1年、満6歳児の身長が102.5cm(標準身長113.4cm)とすると標準身長から1標準偏差(S・D)以内で全体の65%以内に入っていますからやや小柄ですが正常範囲といえます。
しかし、年間成長速度が5cm…標準の伸びのマイナス1.0標準偏差であると、最終身長は160cm以下となります。

このように小学校低学年で背の順でクラスの真ん中より少し前にいたのに年間の成長速度が正常よりやや少ないので最終的に男子で160cm、女子で148cmくらいになる人は多いのです。もしこの場合の成長速度が表に示したような要注意範囲…標準のマイナス1.5標準偏差…に入るとすると、男児の場合8年後の14歳過ぎには身長は147cm、最終身長は154cm…標準身長マイナス3標準偏差と極端に低くなってしまいます。

この年間の身長の伸び率が標準に達しない人はかなりいますが、表に示したマイナス1.5標準偏差以下の発育を続ける子供は多くはないが、こうした子供の中には成長ホルモンの分泌が悪い人が多いし、治療すれば普通の身長になるといわれています。
その時には、今までの発育の様子を知るため母子手帳、健康手帳など今までの身長体重の記録を持参し、あらかじめ診療の予約をしておくことが良いでしょう。

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