医療法人真正会 川村小児科 kawamura children's clinic

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コラム
Column

身長児の急激な身長増加に要注意



幼稚園の頃から小学校4年生10才頃まで、身長が標準より7~10cm位低いが、毎年4.8~5cm前後身長の伸びがあるので、結果的には標準身長に平行移動的に成長して、標準との差が一向に縮まらないでいる子供の場合です。

成長表から見ると標準身長マイナス1.5標準偏差以内、すなわち全体の70~75%内には入っていて一応正常範囲内の成長と判断されているのですが、この子供達の中で、男子で9~10才、女子で8~9才で体重が増え小児体型から脱却しかけているのが外見からも分るようになり、今迄よりも身長の伸びも大きく、背の順でクラスの前の方にいたのが急に真中へ近付いて来た場合は要注意なのです。

この場合一般的には今迄背が低くて悩んで来たのに、急に背が伸び親は喜びこそすれ、これが要注意事項だったり困った事の始まりと考えることは極めて稀です。

これは早くに成長のピークが始まったことを意味しているので、普通の男児なら15才、女児14才で成長が止まるのに、これより早く成長が止まり最終身長は低くなる可能性を示しているからです。

標準の子供の年間成長速度は、小学校前半ではいつも6~7cm位で男子の場合小学校時代の伸びの最低の時は10才の時の4.9cm/年でこれを思春期のはじまる前の足踏み期間と呼んでいます。その後13才9.9cm/年と身長は急伸します。
女児では9才最低の5.4cm/年、11才で8.3cm/年のピークを示し、その後2年位で身長の伸びは止まるのです。
誰でも成長がピークを抑えてから止まる迄の身長の伸びはほぼ一定なので、標準身長よりかなり低い所で思春期が始まると最終身長は低身長域にとどまることになります。具体的に言えば男子で声変わりが起ればその後平均で7cm、女子の場合生理が始まれば5cmしか伸びないとされています。

これらの体の変化は思春期後半に当り成長から考えれば最後の段階に当るからです。
従って男子で150cm以下、女子で140cm以下でこうなった時、最終身長は男子で158cm以下、女子で147cm以下の医学的に言う本当の低身長に入ってしまうのです。

異常に早く大人になってしまう病気に思春期早発症があります。
この時は男子で10才以下で声変わりとか女子で7才以下で乳房膨大とか普通の親なら我が子の異常発育に気付く症状がありますから医療機関へ受診すると思うのですが、今迄述べて来た事例はそれほど極端ではなく身長の割には思春期の始まるのがやや早い「オマセ」の感じに過ぎない点に問題があり、親は専門医への受診必要に思いいたらないのが普通です。
しかし実状は程度は軽いのですがよく似ています。
この中に入る人達は二次性微出児の時の身長によりますが、男子で最終身長158~164cm、女子で148~153cm位の可能性もあるのです。
今迄背が低かった子の身長の急伸する時期が普通より早いと感じたら専門医を受診し相談する事が大切です。

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