医療法人真正会 川村小児科 kawamura children's clinic

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コラム
Column

当に背が低いと考えなければいけない範囲とは?

最近は子供の発育についての管理が良くなり、母子手帳への記入、幼稚園での計測などで、自分の子が人並みの身長か、注意を要するほど背が低いかの判断は、かなり早くからできるようになっています。
しかしながら具体的にどの年齢で何をすべきかの対策はまだ不十分であると思われます。

一才から三才までは母子手帳にある成長曲線の一番下のライン(3%ライン)付近が統計学的に100人中で前から三番目になります。
医学的な低身長は「標準身長マイナス標準偏差の2倍」以下とされているので、母子手帳の3%ラインはこの基準に近く、低身長への要注意グループに入ることになります。

この場合、その原因を追究し、対策を立てることが大切ですが、現実には十分行われていないようです。
この時期を過ぎ、幼稚園、小学校へ入り背の順に並ぶ機会が多くなると、親も「我が子の発育が人と違うかもしれない」と気付くことになります。
クラスの中で一番前でも、二番目の子供とあまり違わなければ病的に背が低いと考えなくても良いかもしれませんが、二番目の子と大きく違う時は、医学的に低身長の範囲に入る可能性があるので重大に考えることが必要です。

子供の背の順以外に、もう一つ大切なことは一年間の身長の伸びです。
幼稚園、小学校前半では正常なら一年間6cm前後は伸び、クラスでの背の順の席もそれほど変わらないものです。
しかし年間の伸びが4.5cm以下ですと各年齢の標準身長からだんだん下の方へ離れて行き、クラスの席順は前の方に押しやられることになります。

このまま放置するとその先何年経っても標準身長にならないことは明らかですが、多くの家族は「そのうちに背が急伸して標準身長になる」と根拠のない望みにすがって、何もせず大切な発育前、中期を過ごしてしまいます。
その結果、発育後期、つまり小6から中2になって慌てて受診される方が多くなります。

実際に、幼少時に専門家による適切な生活、栄養指導で成長が改善され、低身長域を脱する人も多くいらっしゃいます。
また、六才以後になれば、精密検査をして原因をつきとめ、それに合った治療、例えば成長ホルモン治療で、今迄年間4cmしか背が伸びなかったお子さんが8~10cmも伸び、数年のうちに正常域の身長まで追いついてしまう例も数多くあります。
ですから、もしお子さんが母子手帳の成長曲線3%ライン近辺、あるいは幼稚園、小学校のクラスで背が一番前なら、発育表持参で一度専門医に相談されることはとても大切です。

低身長のめやす

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6.5 7.5 8.5 9.5 10.5 11.5 12.5 13.5 14.5 15.5
男(cm) 107 112 117 122 126 131 135 143 150 156
女(cm) 106 111 116 121 126 133 139 144 145 147